【青磁象嵌菊花文長頸瓶】高麗時代－12~13世紀－常設展－東京国立博物館

青磁象嵌は高麗で独自の発達をとげた装飾技法。胎土に文様を彫り、白土、赤土を埋め、素焼きをしたのち、青磁釉をかけて焼成します。青磁の地に白土は白く、赤土は黒く発色します。戦前に朝鮮で事業家として名をなした小倉武之助(1870〜1964)旧蔵品。

高麗時代（918年〜1392年）の12世紀から13世紀にかけての青磁象嵌菊花文長頸瓶は、高麗時代の陶磁器の中でも特に優れた作品とされています。以下に、この瓶についての情報を提供します。

青磁象嵌菊花文長頸瓶は、青磁（せいじ）と呼ばれる青白い釉薬で覆われた陶器であり、象嵌（ぞうかん）技法によって菊花文様が装飾されています。この瓶は通常、長い首と広がる口を持つ形状で、装飾的な要素が際立っています。

象嵌技法は、高麗時代の陶磁器の特徴的な技法の一つです。陶器の表面に彫り込まれた模様に、異なる色や材質の釉薬を注ぎ込んで装飾を施します。象嵌菊花文長頸瓶では、釉薬の流れを制御して、美しい菊花の模様が描かれています。この技法は非常に繊細で手の込んだものであり、熟練した職人の技術と美的感覚が求められました。

青磁象嵌菊花文長頸瓶は、高麗時代の宮廷や寺院での使用を目的として制作されたと考えられています。これらの瓶は、高貴な雰囲気を持ち、贅沢な装飾が施されていたため、貴重な品とされていました。

高麗時代の青磁象嵌菊花文長頸瓶は、その美しいデザインと精緻な技法によって高く評価されています。これらの作品は、韓国の国宝や文化財として保存され、美術館や博物館で展示されています。その優れた美しさから、陶磁器愛好家や収集家からも高い人気を得ています。