【碧鱗 Bluish-Green Fish Scale】江戸時代‐狩野探幽

【碧鱗 Bluish-Green Fish Scale】江戸時代‐狩野探幽

江戸時代の日本の画家、狩野探幽(Kano Tan’yū)の作品「碧鱗」は、彼のキャリアで特筆すべき作品の一つです。探幽は、17世紀初頭から中頃にかけて、狩野派の画家の後継者として知られ、日本の絵画界で重要な役割を果たしました。彼の名前は通常、狩野派と関連付けられており、その画風は伝統的な日本の絵画に影響を与えました。

「碧鱗」という作品には、探幽の芸術名で署名された大きな中国の文字が大胆に描かれています。しかし、探幽による「大師流」スタイルの書道で書かれた作品もいくつか残っており、このスタイルは、日本の真言宗の宗祖である弘法大師(Kōbō Daishi)にちなんで名付けられました。弘法大師は、時折非常に情熱的で表現豊かな書道を行ったと言われ、江戸時代の禅僧や文人の間で非常に人気がありました。

「碧鱗」の中には、2つの文字が「碧鱼鳞」(Hekirin)と読まれており、文字通りにはカツオのような青みがかった魚の鱗を指します。ただし、この場合、宋代の詩人蘇軾(Su Shi)の詩に触発されたものである可能性があります。蘇軾は西湖の波のさざ波を光り輝く青緑色の魚の鱗にたとえる詩を書いたことで知られています。

この作品は、探幽の独自のアプローチと、彼が狩野派の伝統とは異なる書道スタイルで実験したことを示すものとして興味深いものです。探幽の多才な芸術家としての側面を窺わせる作品の一つと言えるでしょう。

【碧鱗 Bluish-Green Fish Scale】江戸時代‐狩野探幽
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画像出所:メトロポリタン美術館

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