1750年から1760年頃のカナレット（Giovanni Antonio Canal）による「パドヴァ：バッキジョーネ川とポルタ・ポルテッロ」は、イタリアのパドヴァ（Padua）市の風景を描いた作品です。この絵画は、バッキジョーネ川とポルタ・ポルテッロ（Porta Portello）という門を描いています。

カナレットはヴェネツィア周辺の風景を詳細に描写することで知られ、その作品は美しい都市や風景を捉えたものとして高く評価されています。この特定の絵画では、パドヴァのバッキジョーネ川沿いに広がる景色と、市内の歴史的な入口であるポルタ・ポルテッロが描かれています。この作品はパドヴァの魅力を捉えたものであり、その時代の建築と風景を記録したものとして価値があります。

カナレットの作品は、18世紀のヴェネツィアとその周辺地域の文化や歴史を伝える重要な芸術的記録としても評価されており、美術愛好家や歴史研究者にとって貴重な資料となっています。

カナレット（Canaletto）は、茶色のインクと灰色のウォッシュで描き、パドヴァのブレンタ運河に沿った賑やかな交通の様子を捉えています。左側のモニュメント、ポルタ・ポルテッロ（Porta Portello）は、ヴェネツィアへの道路にあるパドヴァの古い門を表しています。この門は1518年に設計され、非常に優れた作品で、カナレットが描写した通りに今も存在しています。同様に、橋もその元の橋脚の上に立っています。

この図面は、かつてフランスの美術鑑定家ピエール＝ジャン・マリエット（1694-1774）の伝説的なコレクションの一部でした。そのコレクターの印がシートの右下に見られます。1768年にヴェネツィアの建築家に宛てた手紙で、マリエットはこの図面とカナレット自身を風景画家として賞賛し、次のように記録しています：

「モンシュール・カナレは彼のジャンルで優れています。私は彼から、彼が全盛期に描いたいくつかの図面を持っており、その中にパドヴァの景色も含まれており、それは優れた作品です。もし彼の同じ時期で同じ品質の図面を見つけたら、喜んで取得します。」

画像出所：メトロポリタン美術館