【聖ヨハネの幻視 The Vision of Saint John】ギリシャ‐スペイン・ルネサンスとバロック時代画家‐エル・グレコ(El Greco)

【聖ヨハネの幻視 The Vision of Saint John】ギリシャ‐スペイン・ルネサンスとバロック時代画家‐エル・グレコ(El Greco)

エル・グレコ(El Greco)の「聖ヨハネの幻視」(The Vision of Saint John)は、1608年から1614年にかけて制作された絵画です。この作品は、キリスト教の聖人である聖ヨハネ(Saint John)が幻視を経験する場面を描いており、エル・グレコの晩年の宗教的な作品の一つとされています。

絵画では、聖ヨハネが天からの幻視に魅了されている様子が描かれています。この幻視は、聖ヨハネが新約聖書の「黙示録」(Revelation)に記述されている神秘的な出来事や予言を受ける瞬間を表現しています。エル・グレコはこの場面において、聖ヨハネの霊的な経験と神秘性を強調し、強烈な感情と精神的な深さを表現しました。

絵画はエル・グレコ独自のスタイルである長身の人物像、鮮やかな色彩、劇的な照明効果などが特徴的です。彼は幻視の場面を非常に劇的に描写し、観る者に霊的な感銘を与えるように工夫しました。

「聖ヨハネの幻視」は、エル・グレコ晩年の傑作の一つとされ、彼の宗教的なテーマへの情熱と芸術的な才能を示すものとして高く評価されています。この絵画は現在、スペインのトレドにあるエル・グレコ美術館(Museo del Greco)に所蔵されており、多くの観光客や芸術愛好家によって鑑賞されています。

この絵画は、トレドの聖ヨハネ洗礼堂(Church of the Hospital of Saint John the Baptist)のために制作された大きな祭壇画の一部で、聖書の黙示録(Revelation)6:9-11で説明されている、終末時に第五の封印が開かれ、神のために殺された者たちに白いローブが分配される場面を描いています。欠落している上部には、第五の封印が開かれる際に犠牲の子羊が描かれていたかもしれません。このキャンバスは、20世紀の芸術家にとって象徴的な作品であり、パリで知っていたピカソも、それを「アビニョンの娘たち」のインスピレーションとして使用しました。

画像出所:メトロポリタン美術館

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

プレスリリース

登録されているプレスリリースはございません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る